高齢化社会と言われて久しいですが、厚生労働省が毎年統計を発表している「簡易生命表」や5年ごとの「完全生命表」のデータを見ても平均寿命がどんどん延びています。寿命が延びるということは皆さんの人生におけるマネープランにも密接に影響をしてきます。今回は特に影響が大きい生命保険との関係をひも解いていきます。
平均寿命と平均余命の違いって?
まず「平均寿命」という言葉を耳にしたことありますか?この言葉、実は皆様が今この時点からあと平均であと何年生きるか?という可能性を示すものではありません。
ある年齢の人がその年齢からあと何年生きるか?という可能性を示すデータは「平均余命」と言い、0歳の人の「平均余命」のことを「平均寿命」というのです。
ですから、厚労省の統計を見ると残念ながら医療が発達しても、0~3歳で亡くなる子供の数は3歳以上の子供に比べると多いため、平均寿命より皆様の平均余命は長い傾向となっています。
生命表の改定によって「平均余命」は伸びています
2020年4月時点での最新の完全生命表は平成29年3月1日に公表されました(厚生労働省HPより)。当生命表は平成27年1年間の死亡率が今後変わらないと仮定し、今後の期待値を計算したものです。
この改正を受け、各生命保険会社は各保険商品の保険料の引き上げや、引き下げあるいは据え置きなどを実施しました。ではどのようにして保険料の引き上げや引き下げにつながるのでしょうか?
死亡保険は値下げ、医療保険は値上げのトレンド
死亡保険は保険料引き下げがトレンドです。つまり「寿命が延びる」=「1年間に死亡する人数が減る」という形になり、保険会社側からすれば保険金を払う可能性が下がることになります。
一方で医療保険は保険料引き上げのトレンドでした。死亡保険とは逆に「寿命が延びる」=「病気にかかるリスクは上がる」ため、保険会社は保険金を払う可能性が上がるからなのです。
寿命は今後も伸びていくでしょう。世界での研究では寿命の上限は無限という説もあります。
民間の保険の動向として死亡保険は値下がり、医療保険は値上がりする「傾向」というのは今後も当分は変わらないでしょう。
さいごに:加入内容を確認し、最新商品の試算をしてみよう
死亡保険については年齢の上昇による保険料の上昇と、平均寿命の延びによる保険料の減少の差によっては適宜見直しをしていく方が良いという可能性があります。
一方医療保険については年齢の上昇と、平均寿命の延びによる上昇と両方の影響を受け保険料が上昇する可能性が高いので、すでに加入しているものの保障内容が今後の公的医療保険制度の変化を加味したうえで、その上乗せとして十分であれば、いわゆる「お宝保険」に変化する可能性もあると言えます。
このような仕組みがありますので、保険に加入されている方は今の保険がお宝に化けそうなのかどうか?まだ保険に加入されていない方は世の中にどのような保険があるのかを一度調べてみましょう。
雑誌やWEBなどのランキングを見るのもいいでしょう。ただ、全年齢の一般論が書かれていることが多いので注意です。
ご自身の年齢、性別、お身体の健康度合い、資産状況などによって設計はハンドメイドです。ある程度下調べをしたら、実際に複数の生命保険会社の商品を設計できる会社に個別相談されるといいでしょう。