マイホームを購入しようと思っても、何から始めていいか分からない人は多いでしょう。
住宅購入は、人生の三大支出の1つです。後から「失敗した」と思わないように、慎重に進めましょう。
本記事では、マイホームを購入するタイミングや、購入の流れ、押さえておきたいポイントをまとめて解説します。これから住宅購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
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マイホームを購入するタイミング
マイホームを購入するタイミングは、世帯環境や年齢によってさまざまな理由があります。
住宅金融支援機構が2025年1月に公表した「住宅ローン利用者の実態調査 」をもとに、どのような理由でマイホームを購入したのか年代別に確認しましょう。
20代がマイホームを購入した理由
20代がマイホームを購入した理由をみると「結婚、出産」が最も多くなりました。
住宅の取得理由 | 割合 |
結婚、出産 | 56.8% |
家賃が高い(家賃がもったいない) | 23.9% |
新しく、きれいな家に住みたい(住まいの老朽化) | 20.5% |
子どもが大きくなってきた、子どもが増えた | 19.7% |
資産として住宅(不動産)を持ちたい | 15.0% |
また、子どもの進学や人数の増加にあわせてマイホームを購入した割合も約20%となっています。
20代は、世帯構成や環境が変わりやすい年代です。そのため、ライフスタイルの変化にともなってマイホームを購入している人が多いといえます。
また、マイホームを将来的な資産として考えて購入している方も一定数いました。家賃として支払うコストよりも、資産として残るマイホームにお金をかけたいと考えています。
30代がマイホームを購入した理由
30代がマイホームを購入した理由では、20代と同じく「結婚、出産」が最も多くなりました。
住宅の取得理由 | 割合 |
結婚、出産 | 37.9% |
子どもが大きくなってきた、子どもが増えた | 28.3% |
家賃が高い(家賃がもったいない) | 22.8% |
新しく、きれいな家に住みたい(住まいの老朽化) | 18.6% |
性能の高い住宅に住みたい(断熱、耐熱など) | 15.8% |
子どもの進学や人数の増加にあわせてマイホームを購入した割合は、20代より8.6ポイント高くなりました。
30代は、結婚や出産が落ち着いて、世帯環境が安定しやすい年代です。
家族構成や仕事に大きな変化が生じにくいので、子どもが進学するタイミングより前に家を購入しようと考える人が多いといえるでしょう。
40代がマイホームを購入した理由
40代がマイホームを購入した理由は「新しく、きれいな家に住みたい(住まいの老朽化)」が最も多くなりました。
住宅の取得理由 | 割合 |
新しく、きれいな家に住みたい(住まいの老朽化) | 24.1% |
子どもが大きくなってきた、子どもが増えた | 19.1% |
家賃が高い(家賃がもったいない) | 18.0% |
性能の高い住宅に住みたい(断熱、耐熱など) | 17.2% |
資産として住宅(不動産)を持ちたい | 16.6% |
それまで住んでいた家が老朽化したことで、新たにマイホーム購入を検討する人が多いです。
また、20代や30代と同じく子どもの進学面などを考えて購入を決めた40代もいました。
50代がマイホームを購入した理由
50代がマイホームを購入した理由では「高齢になり、暮らしやすい家がほしい」が最も多くなりました。
住宅の取得理由 | 割合 |
高齢になり、暮らしやすい家がほしい | 34.4% |
新しく、きれいな家に住みたい(住まいの老朽化) | 23.5% |
1人または夫婦のみでの生活スタイルが確立してきた | 19.8% |
性能の高い住宅に住みたい(断熱、耐熱など) | 15.8% |
生活環境を大きく変えたい | 15.0% |
子どもの就職や結婚で独立したことで、今より暮らしやすい家を購入したいと考えている50代が多いといえるでしょう。
また古くなった住宅から、新しいマイホームを購入したいと考える人もいます。
60代がマイホームを購入した理由
60代がマイホームを購入した理由は、50代と同じく「高齢になり、暮らしやすい家がほしい」が最も多くなりました。
住宅の取得理由 | 割合 |
高齢になり、暮らしやすい家がほしい | 51.6% |
1人または夫婦のみでの生活スタイルが確立してきた | 16.4% |
新しく、きれいな家に住みたい(住まいの老朽化) | 16.4% |
性能の高い住宅に住みたい(断熱、耐熱など) | 15.1% |
資産として住宅(不動産)を持ちたい | 13.8% |
60代は、生活スペースをよりコンパクトにした家のほうが暮らしやすく感じます。
また、子どもと一緒に生活するよりも、老後生活を夫婦で楽しめる生活がしたい意向で、マイホームを購入する人も多いといえるでしょう。
マイホーム購入の流れ
マイホームを購入したいと思ったら、まずは流れを把握しておきましょう。
一般的に、マイホームを手に入れるためには、準備期間も含めて3ヵ月から6ヵ月必要です。マイホーム選びで失敗しないように、大まかな流れを確認してください。
希望の物件を探す
マイホームの購入を検討する場合、まずは希望の物件を探します。
マイホーム探しは、インターネットで情報を集める方法や、住宅展示場でモデルルームを見学するなど、さまざまな方法があります。
どのような住宅を購入したいのか、希望する条件をしっかりと検討してください。情報を集める前に、まずは「新築と中古のいずれを購入するか」決めましょう。
新築と中古のメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット | |
新築物件 | ・清潔感のある部屋に住める ・ローン控除などの優遇措置を受けやすい | ・価格が高い |
中古物件 | ・新築に比べて価格が割安 ・管理が行き届いた物件か事前に把握できる | ・生活感が残っている可能性 |
次は「戸建てとマンションのどちらにするか」検討してください。
メリット | デメリット | |
戸建て | ・周囲に騒音を気にせず生活できる ・管理費や修繕積立金、駐車場代がかからない ・気軽にペット飼育ができる ・世帯環境に合わせた間取りにできる ・土地を資産として残せる | ・修繕箇所が出た場合には出費がかさむ ・駅から遠いなど立地条件は不利になりやすい ・防犯面はマンションより劣る ・一般的にマンションより売却しにくい |
マンション | ・利便性が高い物件が多い ・セキュリティ面は戸建てより万全 ・階段がないので部屋の移動がしやすい ・共用部分の清掃が不要 ・資産価値が下がりにくい | ・騒音トラブルに発展するリスクが高い ・管理費や修繕積立金、駐車場代などランニングコストがかさむ ・居住する部分の利用制限がある ・管理組合に参加する必要がある |
住宅ローンの仮審査をする
目当ての物件が探せたら、次に住宅ローンの仮審査を実施しましょう。
せっかく目当ての物件を見つけても、住宅ローンが通らなければ前には進みません。物件価格で住宅ローンが借りられそうか確認しておきましょう。
仮審査は、住宅ローンの本審査の前に金融機関が実施する簡易なチェックです。住宅ローンの返済が問題なく実施できるか確認する目的で「個人信用情報」と「収入」について審査を行います。
- 個人信用情報の確認:クレジットカードの返済や税金に滞納がないかを確認
- 収入の確認:借入額に見合う収入が安定的に得られているか確認
一般的に、事前審査は申請してから1週間程度で結果が出ます。
物件の購入申込みをする
住宅ローンの仮審査で融資可能性が見いだせたら、目当ての物件を購入する意思を示すために、申込をしましょう。
物件の購入申込をする場合、申込書の提出が必要になります。もし、後から良い物件が見つかれば、申込は撤回できます。
目当ての物件が見つかったら、まずは申込みはしておきましょう。また、購入意思を証明するために「証拠金」の支払いが必要なケースもあります。証拠金は、数万円から10万円程度です。
ただし、申し込みを撤回したら証拠金が返金されるかは事前に確認しておきましょう。
売買契約をする
購入申込後は、売買契約の締結に進みます。
まずは、物件の売買条件や住宅性能を記した「重要事項説明書」の説明を受けます。重要事項説明書に記載されている内容で問題ないか、事前に確認しておきましょう。
重要事項説明書の内容に問題がなければ、売買契約書を締結します。また、このタイミングで手付金が必要になります。
手付金の金額や必要な準備物は、あらかじめ確認しておいてください。
住宅ローンの本審査をする
売買契約が済んだら、住宅ローンの本申込みを実施します。
あらかじめ仮審査が通過した金融機関の中から、希望する金融機関に本申込みの手続きをしてください。本審査では、物件の資産価値がローン融資額に見合うかどうかをチェックします。
物件の資産価値が担保されているかチェックするため、審査の結果が出るまでは時間がかかる可能性が高いです。
金銭消費貸借契約を締結する
住宅ローンの本審査が済めば、金銭消費貸借契約のステップに進みます。
金銭消費貸借契約は、住宅ローンを借り入れて、将来的に同じ金額を返すことを約束する契約です。借入額や借入期間など、返済条件について確認します。
金銭消費貸借契約で提示される内容は、途中で変更することはできません。
提示された条件で問題がないか、チェックしておきましょう。
融資実行・物件の引き渡し
最後のステップは、融資実行と物件の引き渡しです。
融資実行は、融資する金額の入出金の確認や、抵当権の登記手続きを行います。手続きがすべて済めば、物件の引き渡しを受けて手続きはすべて完了します。
マイホーム購入に必要な費用とは?
マイホーム購入の流れを把握したら、次は資金面の確認です。
特に、住宅ローン以外でどのようなお金が必要になるのか確認しておきましょう。一般的に、マイホーム購入に必要な費用は「住宅購入資金」「諸費用」「購入後のランニングコスト」の3つです。
そのうち、諸費用と購入後のランニングコストは現金で準備しておく必要があります。
諸費用
諸費用とは、マイホーム購入にかかわる諸経費です。主な諸費用は、以下のとおりです。
- 仲介手数料
- 手付金
- 印紙税
- 不動産取得税
- 抵当権の設定費用
- 融資事務手数料
- 火災・地震保険料
諸費用の目安額は、物件価格の5%から10%とされています。たとえば、5000万円の物件を購入する場合、諸費用は250万円から500万円となります。
見積書などに記載される資金計画で、諸費用がいくら必要かは確認しておきましょう。
購入後のランニングコスト
マイホーム購入後も、ランニングコストがかかります。
一般的なランニングコストとして考慮しておく必要があるものは「当面の生活費」と「修繕積立金・リフォーム資金」です。
当面の生活費は、目安として6ヵ月分は残しておきましょう。次に、修繕積立金やリフォーム資金です。マンションを購入した場合、建物の修繕のために「修繕積立金」や「管理費」を毎月支払う必要があります。
戸建ての場合は、修繕積立金や管理費は不要です。しかし、家の修繕やリフォームの費用は自分で捻出する必要があります。
マイホーム購入で考えておきたい5つのポイント
マイホーム購入をする場合、次のポイントは必ず押さえておきましょう。
- 予算
- 家のタイプ
- 土地(注文住宅の場合)
- 住宅ローン
- 住宅購入後の収支バランス
マイホームの購入はライフプランでも重要なイベントです。家選びで失敗しないために、それぞれのポイントについて理解しておきましょう。
予算
まずは予算を決めましょう。
一般的に、マイホームの予算は「年収の5倍から7倍」とされています。しかし、安直に年収で予算を決めるのはリスクが高いです。年収以外の部分も考慮しながら、予算は決めましょう。
予算を決める場合には、以下の部分も参考にしてください。
- 返済比率:年間の所得に占めるローン返済額の割合
- 適正予算:住宅購入後も経済的に困窮しない予算
返済比率は、25%以内に抑えるようにしましょう。また、適正予算はライフプランを作成する必要があります。
家のタイプ
次に、マイホームのタイプを決めましょう。
前章でも解説した「戸建てとマンション」「新築か中古」どのタイプで家を購入するか決めてください。
予算面を考慮すると、自分たちがどのタイプの家を購入できるかが把握できます。
予算オーバーになるような家のタイプは選ばないよう注意してください。
土地(新築注文住宅の場合)
注文住宅を購入する場合、土地探しも重要です。
住宅を建てる場合、その土地に応じてさまざまな法令上の制限を守る必要があります。
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 宅地造成区域
- その他の建築制限
自分で探した土地が、一軒家の間取りや高さが制限されてしまうと、希望している家が建てられません。
希望している家を建てられる土地かどうかをチェックすることが重要です。土地探しで失敗しないためにチェックしておきたいポイントは、以下の7つです。
- エリア周辺環境:治安や周辺の施設が充実しているか
- 境界線:隣地との境界線がはっきりしているか
- 面積:希望の家が建てられる広さが確保されているか
- 高さ:土地の高低差が激しくないか
- 災害リスク:災害リスクの低いエリアか
- 前面道路:前面道路の幅員が4メートル以上あるか
- 法令上の制限:用途地域や高さ制限といった建築上の制限があるか
より詳しく確認したい人は、以下の記事も参考にしてください。
住宅ローン
住宅ローンもマイホーム購入には重要なポイントです。
自分に合った金利のタイプを決めてください。住宅ローンの金利タイプは「固定金利」「変動金利」「固定期間つき変動金利」に分かれます。
- 固定金利:返済期間中の金利に変動しない
- 変動金利:返済期間中の金利が変動する
- 固定期間つき変動金利:一定期間だけ金利が据え置かれる変動金利
変動金利は固定金利に比べ金利が低い点が特徴ですが、金利変動による住宅ローンの返済額が変動する点に注意が必要です。一方、固定金利はローン返済額が変わりませんが、変動金利に比べ金利は高くなります。
- 変動金利に向いている人:金利が上昇しても返済に問題がない人
- 固定金利に向いている人:金利が上昇すると返済に支障が出る可能性がある人
また、利用者が近年増加している「ペアローン」を組むかも検討してください。ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを契約します。ペアローンのメリットは、以下のとおりです。
- 単独での借り入れより借入額を増やせる
- 夫婦それぞれ団体信用生命保険に加入できる
- 夫婦それぞれ住宅ローン控除を利用できる
- 夫婦それぞれ返済条件を変えられる
ただし、諸費用が増える可能性や夫婦の属性によっては金利面で不利な住宅ローンしか組めない可能性があります。
住宅購入後の収支バランス
住宅購入後の収支バランスに問題がないかチェックすることも大切です。
子どもの教育資金や老後資金など、住宅以外で必要な支出も加味して生活できる状況かを確認しましょう。収支バランスを把握するには、ライフプランシートを作成してください。
ライフプランシートは、FPに依頼して作成をお願いしましょう。
住宅購入はFPへの相談も重要
住宅購入を検討している場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談も重要です。FPに相談するメリットは、以下の3つです。
- 住宅の適正予算がいくらか分かる
- 住宅ローンや火災保険の相談もあわせてできる
- 資産運用や貯蓄などお金にまつわる相談ができる
それぞれのメリットについて、解説しましょう。
住宅の適正予算がいくらか分かる
FPに相談するメリットの1つに、住宅購入にあたって適正予算がいくらかシミュレーションしてくれる点です。
適正予算とは、住宅購入後の生活に経済面で支障が出ない価格を意味します。
ライフプランニングを通して、住宅を購入した後の収支バランスに問題がないか、教育資金や老後資金に不足がないかを確認してもらえます。
住宅ローンや火災保険の相談もあわせてできる
FPに相談しておくと、住宅ローンや火災保険といった家の購入にまつわる悩みもあわせて相談できる点がメリットです。
住宅ローンの金利情勢やおすすめの金融機関など、まとめて相談してもらえます。
また、家の購入時に契約が必要になる火災保険も相談できるので、適正予算とあわせて相談してみてください。
資産運用や貯蓄などお金にまつわる相談ができる
FPは、資産運用や貯蓄といった住宅以外のお金にまつわる相談もできます。
住宅を購入して将来の資産形成がうまくいかないリスクがあります。教育資金や老後資金などの備えができているか、あわせて確認してもらいましょう。
住宅購入の相談はEverSideへ
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初回相談は無料なので、ライフプラン表を作成したい人や住宅予算を知りたい人は、この機会にぜひ相談してください。
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2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大手保険代理店で9年間、主に個人のライフプランニングを通した顧客の相談を行う。1500件を超えるこれまでの相談経験から、顧客の課題や悩みに幅広く寄り添える独立系のFPを志し活動している。FPとして顧客の相談を行う一方、3つの金融メディアにて社会保障制度や奨学金制度、家計をテーマにした執筆活動も並行して活動中。