独立系FPがオススメする「定期預金商品」と「銀行選びのコツ」

独立系FPがオススメする「定期預金商品」と「銀行選びのコツ」

超低金利時代からもう20年以上脱することができない日本で、多くの方が普通預金以外のお金の運用をどうすべきか、という問題に悩んでいるのではないでしょうか。

普通預金では全くと言っていいほど殖えない。とは言え、減るかも知れないというリスクがある投資は怖いので、できれば手を出したくない。殖やしたい減るのは嫌だ、という願いを同時に満たしてくれる商品はなかなか見つけることが難しいことでしょう。

そのため、いろいろ悩んだ結果、定期預金に預けることにした、という方は多いのではないでしょうか。

バブル期のような驚くほどの金利はつかないものの、普通預金に預けるよりかは良い金利がつきます。

今回は、そんな定期預金を検討している方々に定期預金を選ぶ際にこれだけは気をつけて欲しいというポイントや、具体的な推奨金融機関について、情報をお届けできればと思っています。

では早速ですが、定期預金を選ぶ際のポイントについてです。お金を運用する方法というのは世の中にたくさんありますが、今回は定期預金に絞ってお話をします。

定期預金を選ぶ際、気を付けたいポイントは3つあると考えます。

記事の監修者情報
慶應義塾大学経済学部経済学科。大学在学中は国際金融論を専攻。国内大手保険会社にて、個人営業・法人リスクコンサルティングを行う。保険コンサルティングやライフプランニング設計を通じた住宅予算診断、資産運用などを得意とし、これまでの保険・家計相談は1000件を超える。

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ポイント1:金利の高いものを探す

1つ目のポイントは当たり前のことではありますが金利が高いものを選ぶということです。

2022年4月現在、日本に存在する定期預金の中には金利が0.22%ある銀行から、0.002%しかない銀行まで、さまざまです。この差は実に110倍にもなり、例えば100万円を預けたら、年間利息が16円(税引き後)か、約1,750円(税引き後)か、という差が出ます。

例えば、10年預けた場合(利息変化なしと仮定)には利息差は1万7千円近くになるため、同じ元本保証の商品を選ぶのであれば、金利の高さは大きな違いを生みます。

ポイント2:預ける期間はライフプランをよく練ってから決める

2つ目のポイントは、定期預金に預ける期間をご自身の今後の人生プランに合ったものにすることです。

定期預金にはその名の通り決められた期間があります。

1か月、3か月、6か月など、短期なものから、1年、3年、5年、10年など、比較的長期のものまで様々です。一般的には、より長い期間預ける約束をしたほうが金利は高くなる傾向があります。

しかし、無計画に長い期間預けることを決めてしまうと、途中でご結婚や出産、教育費のピークなど大きなイベントが起きると、せっかく預けた定期預金を解約せざるを得なくなることがあります。

定期預金の場合、解約しても元本を割ることは基本的にありませんが、もらえるはずだった利息が一部、もしくは全て没収となり、定期預金に預けた意味が薄れてしまいますので、預ける金額や期間を決める際には注意が必要です。

定期預金に預ける金額は、生活のためのお金学費緊急予備資金などを普通預金やタンス預金で十分に確保したうえで、余裕がある範囲内にしておきましょう。

そしてここが非常に大事な話ですが、5年、10年と、長い期間預けることは極力避けるようにしましょう。

なぜなら、そもそも定期預金という金融商品自体が基本、利息が低すぎて物価上昇率に負けてしまう傾向が強いものだからです。

2012年から政府の方針として、物価上昇率2%を目標にしていますが、これは例えば100万円の品物が翌年102万円出さないと買えなくなるという現象のことを指します。

今の日本の情勢ではなかなか物価上昇率2%の達成は難しいと思いますが、仮に政府の目標通り2%ずつ物価が上昇した場合どんなことになるか例を挙げてみましょう。

100万円の価値がある時計があるとします。

2%ずつ物価が上がると、100万円の時計は10年後に122万円出さないと買えない計算になります(複利)。0.2%の金利がつくと喜んで預けた定期預金は10年後にいくらになっていると思いますか?

答えは、約102万円です。

100万円から102万円と、2万円確かに殖えているのですが、スタート地点で100万円の預金と100万円の時計は等価だったのに、10年後定期預金を解約して得た102万円では122万円になった時計は買えません。物価上昇に対しては20万円負けていることになります。

預けっぱなしにするという制約を我慢し、せっかく殖やしたのに実質的な資産価値は減っているということになります。

定期預金という金利の低い金融商品を購入する際は物価上昇に負ける可能性が高い、ということをしっかり意識しなければなりません。定期預金が「ほぼ」ノーリスクと敢えて申し上げた理由はここにあります。物価上昇率に負ける、という「リスク」が存在するのです。

では政府が掲げる物価上昇率2%は本当に起きる可能性があるのでしょうか。

信じられないかもしれませんが長期で考えれば起きる可能性は十分あるのです。分かりやすい例で東京ディズニーランドの1DAYパスポートを取り上げてみましょう。

2022年4月現在でディズニーランドの1DAYパスは7,900円~9,400円で購入可能です。では1983年の開園当時はいくらだったと思いますか?

答えは3,900円です。

開園から38年間の上昇率を計算すると年複利で2%程度上昇しているのです。

もちろんディズニーランドだけでなく、我々の日常で馴染みが強いありとあらゆる品物が、38年前より値上がりしています(電車賃、食料品、自動車、家賃など)。

つまり、物価上昇率が2%くらいあることは普通ととらえ、定期預金はその上昇率に負ける可能性が高いと分かった上で投資しないといけないものだということです。

定期預金を探す前にこのことをぜひ覚えてください。

ただしこれは、定期預金を否定しているものでは決してありません。

筆者も定期預金を利用することがあります。

お金の預け先を定期預金という低金利商品だけで考えるのは危険であるということですので、誤解のないようにしてください。

ほとんど金利のつかない普通預金、少しだけ金利がつく定期預金、少しだけリスクをとってしっかり殖やすお金という3つのお金の持ち方にバランスよく資産を配分しましょう。

ポイント3:キャンペーン内容には注意する

さて、少し脱線してしまったので、話を元に戻しましょう。

定期預金を選ぶ際の最後のポイントはキャンペーン内容をよく精査する、ということです。定期預金にはしばしば期間限定のお得なキャンペーンが存在します。表面上非常に高金利に見えるものがあるのです。

ただ、それは条件付きの特別金利だったりするので注意が必要なのです。

条件とは例えば、証券口座を開き指定の投資信託を毎月買い付けする設定をする必要があったり、所定のクラブ会員に入会する必要があったり、高いキャンペーン金利の適用期間が預ける期間全体に対して短かかったりする(例えば預入期間が1年で、当初3か月の年利は0.2%ですが、残り9か月の年利は0.05%など極端に下がるものなど)、というものです。

投資信託とセットで買わなくてはいけないルールがあるのであればそれはノーリスク商品を買うつもりがリスク商品を買っているということですし、クラブ会員への入会も普段の生活に馴染むものならいいでしょうが、必要性を感じないものであればきっと煩わしいだけでしょう。

見た目は高い金利に見えても適用金利が途中から下がる条件があるものはとても多いので、誤認しないように、よく条件をチェックする必要があります。キャンペーンのチラシなどを見るときは大きな文字よりも隅のほうに書いてある小さな文字をよく見るようにすると、誤認がある程度防げますので参考にしてみてください。

それでは、いよいよここからが一番気になる情報かと思いますが、金利の高い定期預金を扱っている具体的な金融機関をご案内いたしましょう。

あくまでFPとしての個人的な意見でございますので、絶対的な情報ではないことをご了承ください。

2022年4月時点での私の推奨定期預金5選は、

  1. 島根銀行 インターネットバンキング・・・1年もの金利0.22%
  2. 愛媛銀行 四国八十八カ所支店・・・1年もの金利0.22%
  3. あおぞら銀行 BANK支店・・・1年もの金利0.2%
  4. SBJ銀行・・・1年もの金利0.2%
  5. UI銀行(東京きらぼしフィナンシャルグループ)・・・1年もの金利0.2%

上記5種類の金融機関が提供している定期預金です。

聞きなれない金融機関もいくつかあるかも知れませんが、それぞれ金利は0.2%以上あり、直近ですぐ申し込み期間が終わってしまうキャンペーンものではないことが選定した理由となっています。他にも金利0.2%以上の金融機関はいくつかありますが、わかりやすく5種類に絞ってみました。

100万円までしかこの金利ではない、など中には条件が付く場合もありますので、詳しくは各金融機関に問い合わせてください。

大手メガバンクとは大きく違う定期預金金利となっておりますので、ぜひご自身でも調べてみてください。

金利が比較的高い定期預金を扱っている金融機関は基本的にオンラインで手続き可能なところが多いので、ゆかりがない都道府県の地方銀行であっても申し込めたりします。

定期預金を選ぶ際の注意点まとめ

最後に自己紹介を兼ねて全体のまとめを書いていきたいと思います。

弊社は独立系FPとして活動している会社でございます。

独立系FPとは、特定の金融機関、不動産会社などの資本が入っていないFPを指し、一つの分野に偏り過ぎることなく、お客さまの家計全体を俯瞰して見た上でのアドバイスができるお金の専門家です。

弊社EverSideは、お金のかかりつけ医のようにEver(一生)Side(そばに)お客様に寄り添える存在になれるよう、日々活動しております。

今回のテーマの定期預金においても、特定の分野の商品を最善なものにしていくことも確かに大事ですが、最も大事なのは資産全体のバランスです。現金預金などの流動的な資産、保険など確実に殖やしてくれる安全性資産、証券など積極的に殖やす収益性資産の割り振りという観点で全体最適がとれているかどうかが金融商品を選ぶ以前に大切なことなのです。

お金を貯めたり殖やしたりする、目的や目標金額、期限などを明確にし、その計画から逆算して最も適した資産割り振りをし、そのうえで金融商品を選んでいくようにしましょう。目的目標がないままになんとなく運用してしまっては、目的地を決めずに出かけるようなもので、意味がありません。目標目的を決めろと言われても…と困ってしまった場合は、FPに相談しながら一緒に決めていくのも良いと思います。それでは、長文になってしまいましたが最後まで読んでいただきまして、誠にありがとうございます。

ご参考:お金の知恵を学ぶ「知るぽると」金融広報中央委員会

リスクをとって大きくお金を殖やすことも考えたい方向けの弊社コラム

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