三大疾病でかかる医療費の自己負担分ってどのくらい?

三大疾病でかかる医療費の自己負担分ってどのくらい?

どのくらい医療費がかかるのかといっても、一律ではなく、こればっかりは本当に患者さんごとのケースバイケースなので、厚生労働省の統計から分析してみることにしましょう。

上記を元に分析します。

記事の監修者情報
慶應義塾大学経済学部経済学科。大学在学中は国際金融論を専攻。国内大手保険会社にて、個人営業・法人リスクコンサルティングを行う。保険コンサルティングやライフプランニング設計を通じた住宅予算診断、資産運用などを得意とし、これまでの保険・家計相談は1000件を超える。

お金に関する質問やお困りごとがありましたら、ぜひ「えばさい君の相談室」の無料相談をご利用ください。総合ファイナンシャル・プランニング事務所「EverSide株式会社」では、サービス詳細やお客様の声もご紹介しています。併せてご覧ください。

\ まずは無料でFP相談をしてみる /

本コンテンツはえばさい君が独自の基準に基づき制作していますが、紹介先から送客手数料を受領しています。

医療費の分析

社会医療診療統計「第11表 傷病分類別1日当たり点数」が費用の統計になっています。1点=10円で換算されて、一般的な健康保険であればその3割負担となります。

(1)がん(悪性新生物)

入院:6,328.9点/1日、入院外(=通院等):2,479.4点/1日

(2)脳梗塞

入院:3861.6点/1日、入院外(=通院等):1,115.7点/1日

(3)虚血性心疾患

入院:13,019.8点/1日、入院外(=通院等):1,356.0点/1日

この中で最も高額な虚血性心疾患では、1日入院するだけで130,198円もかかる、ということです。3割負担でも39,059円/日です。

しかもこの金額、大部屋が空いていなかった時のベッド代、食事代などその他かかる費用は含まない金額なので非常に大きな負担ですよね。

入院日数の分析

患者調査「表6 傷病分類別に傷病分類別にみた年齢階級別退院患者の平均在院日数」で入院日数が把握できます。

この調査で注意が必要なのは、「退院患者」の平均日数であり、入院中に残念ながらお亡くなりになった方の数は含まれていないため、重症であった場合は日数が延びる可能性があります。

  1. がん(悪性新生物):16.1日
  2. 脳血管疾患:78.2日
  3. 心疾患(高血圧性を除く):19.3日

平均医療費と平均入院日数から見えるもの

上記2つを掛け合わせると、入院中の平均医療費が算出されます。

  1. がん:1,018,953円 ⇒ 3割 305,686円
  2. 脳梗塞:3,019,771円 ⇒ 3割 905,931円
  3. 心疾患:2,512,821円 ⇒ 3割 753,846円

見ての通り、自己負担額でも30万円から100万円を超えそうな勢いのものまであることがご理解いただけるかと思います。

確かに高額療養費制度もありますが、基本的には申請をして数か月後に還付される後払いの費用になっているので、入院をした場合はまず上記の費用負担が一気にのしかかってくる可能性の方が大きいかと思います。

まとめ:公的保障をしっかり理解しよう

今回は統計から分かる入院の費用のみ計算してみました。

しかしそれ以外の通院や入院中の食事負担額(1食430円)、もし個室などに入院した場合の差額ベッド代などは統計に出てこない費用で、それらも上乗せでかかってきます。

そうなると三大疾病にかかってしまった時は一時的ではあるものの、非常に大きな費用負担が家計を襲うことになります。そのときに支えてくれる医療保険を持っておくとご家族は安心されるかも知れませんね。

ただし、医療保険も入ればいいというわけではありません。

例えば、一生保険料が変わらない3,000円の医療保険に30歳の方が加入したとして、90歳まで払ったとすると、生涯の保険料は2,160,000円になります。医療保険とは非常に大きな買い物ですし、多くの方が健康に過ごし医療保険を使わないので払った保険料を回収できません

とりあえず3,000円くらいだし、と簡単に加入してしまうのではなく、一度ご自身にもしものことがあったときに、どの程度公的な保障があって、どの程度自己負担があるので、お金を払ってまで追加保障がいるのかどうか、ということに向き合ってみてはいかがでしょうか。

\ まずは無料でFP相談をしてみる /

関連記事

  1. アルバイトで稼ぎたい学生さん必見!扶養控除と勤労学生控除で税金のしくみを理解しよう!

    アルバイトで稼ぎたい学生さん必見!扶養控除と勤労学生控除で税金のしくみを理解しよう!

  2. 独立系FPがオススメする「定期預金商品」と「銀行選びのコツ」

    独立系FPがオススメする「定期預金商品」と「銀行選びのコツ」

目次Toggle Table of Content

  1. 【厳選】マンション購入を相談すべき3つの専門家とは?

    【厳選】マンション購入を相談すべき3つの専門家とは?

  2. 家の購入費用はいくら?目安額や年収別の適正額も解説

    家の購入費用はいくら?目安額や年収別の適正額も解説

  3. 【FP監修】ハウスメーカーが決まっていないまま土地は購入はすべき?

  4. 家を買うならどこに相談?どんな準備が必要かあわせて解説

    家を買うならどこに相談?どんな準備が必要かあわせて解説

  5. 家を購入して失敗した事例を4つのジャンルに分けて解説

    家を購入して失敗した事例を4つのジャンルに分けて解説

  6. 住宅購入時に受けられる補助金一覧【2025年最新版】住宅ローン減税などの減税制度についても解説

    住宅購入時に受けられる補助金一覧【2025年最新版】住宅ローン減税…

  7. 家を買うなら年収の何倍まで?住宅ローン活用のシミュレーションもあわせて解説

    家を買うなら年収の何倍まで?住宅ローン活用のシミュレーションも…

  8. 戸建てとマンションのメリットとデメリットは?向いている人の特徴も解説

    戸建てとマンションのメリットとデメリットは?向いている人の特徴…

  9. 耐震性能は必要?家づくりで知っておきたい基本について解説

    耐震性能は必要?家づくりで知っておきたい基本について解説

  10. 注文住宅の購入の流れを5ステップで解説!引き渡しのスケジュールや注意点も確認

    注文住宅の購入の流れを5ステップで解説!引き渡しのスケジュールや…